雑誌Billboardで現代に近い形の音楽チャートのそれっぽいものが最初に掲載されたのが1940年7月27日号でした。それ以前は今のようなチャートとして使える情報はありませんでした。当時は同じ曲をいろんなアーティストがリリースしていることが多かったのですが、ランキングには曲のタイトルだけが書かれていてそれが誰のバージョンかかわからないものでした。
「曲タイトル/アーティスト」の形で表記されるようになったのが1940年7月27日号が最初でした。
【メモ】
・ランキングの変動は枠の色で示します
(ピンク・・・ランクアップ、青・・・ランクダウン、緑・・・ランキングキープ、紫・・・初登場)
・曲には簡単に解説のようなものを入れています(情報が見つかれば)
・2回目以降はこれまでのランキングの動きがわかるようにします
・ページの最後にこの週のランキングのプレイリストを置いておきます
- 1940年8月3日付チャート
- No.1 I’ll Never Smile Again / Tommy Dorsey
- No.2 The Breeze And I / Jimmy Dorsey
- No.3 Fools Rush In / Glenn Miller
- No.4 Imagination / Glenn Miller
- No.5 Sierra Sue / Bing Crosby
- No.6 The Nearness Of You / Glenn Miller
- No.7 When The Swallows Come Back To Capistrano / Ink Spots
- No.8 Make Believe Island / Mitchell Ayres
- No.9 Pennsylvania 6-5000 / Glenn Miller
- No.10 Frenesi / Artie Shaw
- メモ
- プレイリスト:Chart of August 3, 1940
1940年8月3日付チャート
No.1 I’ll Never Smile Again / Tommy Dorsey
メインボーカルはFrank Sinatra
1939年にRuth Loweが作曲した曲。Tommy Dorseyのバージョンがチャート1位になりました。その他にも多くのアーティストにカバーされスタンダード・ナンバーの1曲になっています。
チャートの動き:1位→1位
ランクイン:2週目
No.2 The Breeze And I / Jimmy Dorsey
この曲のオリジナル「Andalucía」(インスト)は1928年にキューバの作曲家Ernesto Lecuonaが組曲「Andalucía」の一部として書かれました。その後Emilio de Torreがスペイン語の歌詞を、1940年にAl Stillmanが英語の歌詞を付けました。
チャートの動き:2位→2位
ランクイン:2週目
No.3 Fools Rush In / Glenn Miller
Rube Bloom(作曲)Johnny Mercer(作詞)
1936年に「Shangraila」としてRube Bloomが作曲し、シカゴのChez Pareeの公演で初披露されました。その後Johnny Mercerが歌詞をつけて広く知られる曲となりました。
チャートの動き:5位→3位
ランクイン:2週目
No.4 Imagination / Glenn Miller
Jimmy Van Heusen(作曲)Johnny Burke(作詞)
Glenn MillerのバージョンとTommy Dorseyのバージョンがヒットしました。
チャートの動き:3位→4位
ランクイン:2週目
No.5 Sierra Sue / Bing Crosby
Doris Westin(作曲)Dudley W. Owen(作詞)
Bing Crosbyの代表曲の一つ。カントリー音楽のスタイルを取り入れた軽快な曲調がポピュラー音楽で成功を収めるきっかけとなった曲の一つです。
チャートの動き:9位→5位
ランクイン:2週目
No.6 The Nearness Of You / Glenn Miller
Hoagy Carmichael(作曲)Ned Washington(作詞)が1936年に制作した曲。このバージョンのボーカルはRay Eberle。
その後も多くのアーティストによってカバーされ、ジャズのスタンダードナンバーとして広く親しまれています。
チャートの動き:初登場
ランクイン:1週目
No.7 When The Swallows Come Back To Capistrano / Ink Spots
Leon René(作曲・作詞)この曲は、カリフォルニア州のサンフアン・カピストラーノ伝道所に毎年春に戻ってくるツバメたちへの賛歌として書かれました。
チャートの動き:初登場
ランクイン:1週目
No.8 Make Believe Island / Mitchell Ayres
メインボーカルはMary Ann Mercer
Mitchell Ayresのキャリアの中で最も成功した曲の一つとされています。
チャートの動き:10位→8位
ランクイン:2週目
No.9 Pennsylvania 6-5000 / Glenn Miller
Jerry Gray(作曲)Carl Sigman(作詞)
ニューヨークのホテル、ペニンシュラのカフェラウンジでGlenn Millerをはじめ多くバンドが演奏していました。そのペニンシュラの電話番号がPEnnsylvania 6-5000でした。この番号は2020年にホテルが閉鎖されるまで実際に使用されていました。
チャートの動き7位→9位
ランクイン:2週目
No.10 Frenesi / Artie Shaw
メキシコの作曲家Alberto Domínguezがマリンバのために作曲した楽曲で、後にLeonard Whitcupらによってジャズのスタンダードナンバーとして編曲されました。「Frensi」はスペイン語で「熱狂」や「狂乱」を意味します。
この曲は1982年にグラミーの殿堂入りを果たしています。
チャートの動き:初登場
ランクイン:1週目
メモ
6位のThe Nearness Of You / Glenn Miller、7位のWhen The Swallows Come Back To Capistrano / Ink Spots、10位のFrenesi / Artie Shawが初登場です。
前週4位のPlaymtes / Kay Kyser、6位のWhere Was I? / Charlie Barnet、8位のImagination / Tommy Dorseyがチャートから外れました。
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