雑誌Billboardで現代に近い形の音楽チャートのそれっぽいものが最初に掲載されたのが1940年7月27日号でした。それ以前は今のようなチャートとして使える情報はありませんでした。当時は同じ曲をいろんなアーティストがリリースしていることが多かったのですが、ランキングには曲のタイトルだけが書かれていてそれが誰のバージョンかかわからないものでした。
「曲タイトル/アーティスト」の形で表記されるようになったのが1940年7月27日号が最初でした。
【メモ】
・ランキングの変動は枠の色で示します
(ピンク・・・ランクアップ、青・・・ランクダウン、緑・・・ランキングキープ、紫・・・初登場)
・曲には簡単に解説のようなものを入れています(情報が見つかれば)
・2回目以降はこれまでのランキングの動きがわかるようにします
・ページの最後にこの週のランキングのプレイリストを置いておきます
- 1940年8月24日付チャート
- No.1 I’ll Never Smile Again / Tommy Dorsey
- No.2 The Breeze And I / Jimmy Dorsey
- No.3 Fools Rush In / Glenn Miller
- No.4 Sierra Sue / Bing Crosby
- No.5 God Bless America / Kate Smith
- No.6 Blueberry Hill / Glenn Miller
- No.7 I’m Nobody’s Baby / Judy Garland
- No.8 When The Swallows Come Back To Capistrano / Ink Spots
- No.9 Pennsylvania 6-5000 / Glenn Miller
- No.10 Frenesi / Artie Shaw
- メモ
- プレイリスト:Chart of August 24, 1940
1940年8月24日付チャート
No.1 I’ll Never Smile Again / Tommy Dorsey
メインボーカルはFrank Sinatra
1939年にRuth Loweが作曲した曲。Tommy Dorseyのバージョンがチャート1位になりました。その他にも多くのアーティストにカバーされスタンダード・ナンバーの1曲になっています。
チャートの動き:1位→1位→1位→1位→1位
ランクイン:5週目
No.2 The Breeze And I / Jimmy Dorsey
この曲のオリジナル「Andalucía」(インスト)は1928年にキューバの作曲家Ernesto Lecuonaが組曲「Andalucía」の一部として書かれました。その後Emilio de Torreがスペイン語の歌詞を、1940年にAl Stillmanが英語の歌詞を付けました。
チャートの動き:2位→2位→2位→2位→2位
ランクイン:5週目
No.3 Fools Rush In / Glenn Miller
Rube Bloom(作曲)Johnny Mercer(作詞)
1936年に「Shangraila」としてRube Bloomが作曲し、シカゴのChez Pareeの公演で初披露されました。その後Johnny Mercerが歌詞をつけて広く知られる曲となりました。
チャートの動き:5位→3位→3位→3位→3位
ランクイン:5週目
No.4 Sierra Sue / Bing Crosby
Doris Westin(作曲)Dudley W. Owen(作詞)
Bing Crosbyの代表曲の一つ。カントリー音楽のスタイルを取り入れた軽快な曲調がポピュラー音楽で成功を収めるきっかけとなった曲の一つです。
チャートの動き:9位→5位→4位→5位→4位
ランクイン:5週目
No.5 God Bless America / Kate Smith
1918年の第一次世界大戦中にIrving Berlinによって書かれ、1938年にKate Smithがラジオ放送で歌ったことで広く知られるようになりました。この曲は第二次世界大戦中にアメリカ全土で人気を博し、「アメリカ合衆国第2の国歌」とも称される愛国的な歌です。
チャートの動き:8位→5位
ランクイン:2週目
No.6 Blueberry Hill / Glenn Miller
Vincent Rose(作曲)Larry Stock、Al Lewis(作詞)このバージョンのボーカルはRay Eberle
この楽曲は、1940年にSammy Kayeによって最初に録音されましたが、Glenn Millerのバージョンが最も成功を収めました。その後、Louis Armstrong(1949年)など、多くのアーティストによってカバーされ、特に1956年のFats Dominoのバージョンは大きなヒットとなり、彼の代表曲の一つとなっています。
チャートの動き:10位→圏外→6位
ランクイン:2週目
No.7 I’m Nobody’s Baby / Judy Garland
1940年にJudy Garlandが映画『Andy Hardy Meets Debutante』で披露した楽曲です。
この楽曲はJudy Garlandの若々しいエネルギーと魅力を存分に引き出しており、彼女のキャリア初期の代表的な作品の一つとされています。映画でのパフォーマンスは、彼女の明るく生き生きとした歌唱スタイルを示す好例です。
チャートの動き:7位→6位→7位
ランクイン:3週目
No.8 When The Swallows Come Back To Capistrano / Ink Spots
Leon René(作曲・作詞)この曲は、カリフォルニア州のサンフアン・カピストラーノ伝道所に毎年春に戻ってくるツバメたちへの賛歌として書かれました。
チャートの動き:7位→9位→9位→8位
ランクイン:4週目
No.9 Pennsylvania 6-5000 / Glenn Miller
Jerry Gray(作曲)Carl Sigman(作詞)
ニューヨークのホテル、ペニンシュラのカフェラウンジでGlenn Millerをはじめ多くバンドが演奏していました。そのペニンシュラの電話番号がPEnnsylvania 6-5000でした。この番号は2020年にホテルが閉鎖されるまで実際に使用されていました。
チャートの動き7位→9位→6位→10位→9位
ランクイン:5週目
No.10 Frenesi / Artie Shaw
メキシコの作曲家Alberto Domínguezがマリンバのために作曲した楽曲で、後にLeonard Whitcupらによってジャズのスタンダードナンバーとして編曲されました。「Frensi」はスペイン語で「熱狂」や「狂乱」を意味します。
この曲は1982年にグラミーの殿堂入りを果たしています。
チャートの動き:10位→圏外→圏外→10位
ランクイン:2週目
メモ
6位のBlueberry Hill / Glenn Millerと10位のFrenesi / Artie Shawが圏外から復活しました。
前週4位のSix Lessons From Madame La Zonga / Jimmy Dorsey、7位のThe Nearness Of You / Glenn Millerがチャートから外れました。
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