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Nail The Flag To The Mast / John Philip Sousa (1890)

nail the flag to the mastアイキャッチ 1890
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こんにちは!あぽ(@apocryphally1)です。POPSの歴史をたどっていくMuseum of POP Musicのコーナーへようこそ!録音技術が確立した19世紀末ころからの音楽をコレクションしています。100年ほど前の大衆音楽からJazzやBluesが発展していくポピュラー音楽の黎明期を発掘してきますよ。

*掲載している曲の一部には差別を助長するようなタイトルの曲があります。歴史を辿る面では避けては通れないデリケートな問題ですが、当時のものをそのまま記載しています。当然ながら本ブログには差別を助長するような意図は全くないという点、ご理解いただければ幸いです。

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Nail The Flag To The Mast / John Philip Sousa

1890年にJohn Philip Sousaが作曲した曲です。歌詞はWilliam Russell Frisbeによるものです。この曲は1914年に書き換えられて「Columbia’s Pride」として発表されています。歌詞をなくし、メロディとリズムを変更してキーを変えて曲も短くなっています。結果としてColumbia’s Prideはピアノ向けの行進曲となり、バンドやオーケストラ向けにアレンジされることはありませんでした。

Nail the flag (or colors) to the mast ってどういう意味?

この曲のタイトルの「nail the flag to the mast」がどういう意味なのか調べてみると面白かったので紹介しますね。直訳すると「旗をマストに釘で打ち付ける」ということになりますが、なんで旗をマストにわざわざ釘で打ち付けるのでしょうか?

これは帆船時代の慣習で、降伏を拒否して最後の一人になっても戦うという意思表示のことです。帆船の時代の戦いでは、戦闘中に旗を降ろすと降伏したことになります。大砲の弾が当たって旗が落ちてしまったときには砲撃を止めて相手が降伏したのかを確認していました。相手のマストに大砲をあてて、無力化して降伏させることができます。船のマストがすべて壊された場合、降伏するしかありませんでした。

旗を釘で固定すると簡単には外れなくなり、降伏してしまうことを防ぐことができます。もしくはマストが全部壊されても旗の残骸を残っているマストに打ち付けることで「最後まで戦う」という意思を表すことになります。

こうした背景から、「nail flag (or colors) to the mast」は「自分の意見や信念を反抗的に示すこと。また、それらの信念を最後まで持ち続ける意志を示すこと」という意味で使われるようになりました。

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By Unspecified on the publication, anonymous. – Simples notions de morale civique, les droits et les devoirs du citoyen, par Charles Schuwer, Charavay (Paris), 1882, p. 42. , Public Domain, Link

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Nail The Flag To The Mast 楽曲プロフィール

  • Title : Nail The Flag To The Mast
  • Date : 1890
  • Composer : John Philip Sousa
  • Words : William Russell Frisbe